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白ペンギンが宣うた、白ペンギンHILOが日々つれづれに思ったことを宣うブログ

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凡才青年と天才少女 音で広がる物語

 今日も朝っぱらからの雨天模様とゆー連休最終日。午後からいちおう止んだとはいえ遅すぎんだろ、と・・・ 帯広なんてこんな有様だし、でも明日っから天気は回復傾向で気温も上がるってんだからな、今年のゴールデンウィークは真面目に天の嫌がらせとしか思えない1週間だったワ( ̄△ ̄;)

 とまぁそんな具合で空模様には恵まれなさすぎな連休だったが、先日出かけた際に買ったマンガが期待以上のモノだったので取り上げてみる。いわゆる作者買いした作品だったんだが、ホント思わぬアタリ球だったなー。

  題名『ムジカ』
  作者 かかし朝浩さん
  レーベル バーズコミックス
 舞台は1830年のドイツ、かの音楽家シューマンを主人公に、史実上ではのちにその妻となるクララをヒロインとして、ピアノ演奏家たちとソレを取り巻く様々な社会情勢とを織り交ぜて描かれるドラマという、おおむねの骨子はそんな作品。
 作者・かかしさんの前作にあたる『暴れん坊少納言』よろしく本作もいわゆる歴史マンガなワケだが、やはりというか改めてというか、そのあたりの作劇アプローチがまず上手くて面白い。史実としてそのままに魅力的な要素は物語上で取り逃さず、さりとて創作・エンタメ要素のため的確に改変を盛り込んでひとつのマンガに仕立てる、そのへんの達者な作劇構成は本作にも健在。
 また『少納言』では和歌・短歌が主要素だったのに対し本作では音楽(ピアノ)がテーマに据えられているワケだが、その描き方・演出に関しても変わらぬ高い魅力ぶり。もうなんだろうね、無学ゆえに劇中の有名楽曲もほとんど題名だけじゃどんな音楽なのか全然分かんないんだけど、でも知らない曲でもマンガ読んでて音が聴こえてくるのヨ。ときに激しい大音声だったりあるいは優美な協和音だったり、そういうメロディがコマから響いてくるかのような読書感を存分に味わえるという、そんなマンガ。特に3話の見開きなんかは最高だなー、美しいピアノの調べとソレを奏でるクララの神秘性、そしてその様に心底から心打たれたポトツカ夫人の感動とをひとまとめに描いて見せたワンシーンではないかと。

 マンガの読み心地としても、『少納言』が女性主人公だったモノから本作では成年男子のシューマンになったことで上手くイメージも切り替わってるし。ホント、まだ1巻目にしてこの出来映えはづくづく恐れ入るレベルである。凡人シューマンと天才クララ、ふたりを取り巻く音楽の世界と物語がこれからどう転がっていくのか、ひたすら純粋に期待。
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